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今回、めちゃめちゃ長いので覚悟して読んでくんなまし。

なにしろ区切りがつかないもんすから。。。


ごめんよ〜〜!



第九話: 真摯に反省、ロクデナシ君、の巻


さて、やっと話は世界最低食堂に戻るざます。


カレーを食っていたのさ。


そしたら、目の前に、ヌ~~ッというかんじで手が差し出されてきたさ。


「ああ、また物乞いだな」

とすぐさま思ったのはそういう経緯があったためなのさ。

(ちょっと沖縄風。

 だめだ!今回長いんだからよけいなこと書くんじゃない、おれ!)



その差し出された手を無視して、

「だめ、だめ、おれは甘ちゃんの白人観光客とは違うんだから
 いくら待ってても金は出ないよ、
 あきらめて他をあたりな」と心の中で言いつつ

カレーを食い続けていたんだけど、
その手がいつまでたってもひっこめられないんだよね。


「お、結構しつこいな」と思いつつ待ったが相変わらず手はおれの目の前。


そのままいい加減時間がたって

まもなくカレーが食い終わりそうになってきても

まだ手はそのま〜んま


でね、

もっと変なのは、その手の持ち主がその間まったくの無言!

だったってことなんだ。

あのおしゃべりのインド人がね。

何にも言わないんだよ。


いや〜〜、気になってきたね。

こいつ、どんな奴なんだろう、見てみたいな、
でも目が合ったらもっとしつこく金をねだられるしな、

としばし心中の葛藤。



でもついに好奇心が勝っちゃった。

で、思わず目を上げて相手の顔を見た。。。



ところが、その瞬間おれは凍りついたね。

「あれ、これはいったい何だろう!????」


目はそこに釘付けになったまま。


そして、、、


「ああ、そうか!!!

 これはこの人の顔なんだぁ。。。」


とわかるまでに

冗談でなく数秒かかったのは、

大変失礼ないいかただけど、

それが人の顔とは思えない状態であったからで。。。
(「北の国から」純の独白風、いや、やめろって)



やっと気がついたよ、

「ああ、そうか、この人はハンセン氏病なんだ」
ってね。


それまでにもすでに多くのハンセン氏病の人は見てきたんだ。


そのファーストコンタクトは汽車に乗っていた時だったよ。

プラットホームなんかない小さな駅に汽車が止まると


目の前に木の棒のようなものが次々に差し出されてくるんだよね。

で、「なんじゃあ、こりゃあ!!?」(松田優作風)

って、窓から身を乗り出して見ると

それは線路に立った物乞いの人たちが
差し伸べている手だったんだよね、これが。


彼らはみなハンセン氏病で手の指を失くしてしまっているから、

その手がまるで一本の棒のように見えるのさ。


で、その人たちの顔を見てみると、

中には鼻のない人、耳のない人なんかがいてね。


そりゃあショッキングな光景だったね。


だけど、それでも同じような人を何度も見ているうちに慣れちゃった。

人はどんなことでもいつかは慣れちゃうんだね。


それに、彼らの傷跡、というか病痕はすでに治ってるようで

乾いてツルツルになっていたよ。


だがしかし、
シコウしてシカルに
(学術論文風、しつこいね、もうやめます)、



このオールド・デリーの食堂で会った人は

違ってたね。

失礼な言い方は承知だけどよお

だけど、それがその人の顔であると気づくまでに時間がかかるほど、

その人の病気はひどかった。

「ああ、これは人の顔かあ。。。

 ああ、これはおばあさんの顔なんだあ。

 ああ、そうか、この人はハンセン氏病なんだああああ。


 ああ、これがハンセン氏病真っ最中の状態なんだぁ」


という具合に数秒の間に少しずつわかっていったわけさ。



今まで見たハンセン氏病の人たちは
みんな一応治って傷口も乾いていたからね。



 
でも、このおばあさんは、
顔中膿みと血とでぐちゃぐちゃで、

どこが目やら鼻やら口やら
わからないくらいだったんだよ。

その後、ぼくの記憶の中で

このおばあさんの姿は随分誇張されてしまっているかもしれないけど、

だけど、その時のおばあさんの顔からは、

血と膿みとがボタボタと垂れてくるようにさえ思えたんだ。




そこまできた時ぼくはいきなり吐いちゃった。

椎名誠さんの「怪しい探検隊」の隊則に

「飲んだら吐くな、吐くなら飲むな」
っていうのがあったけど、

ぼくは貧乏な旅行だったんで、

食ったものを吐くなんてもったいないことは

それまで一度もしたことはなかったよ。

第一話に書いたけど、

シシリー島からアフリカ大陸に渡る船が
めっちゃくちゃゆれまくって

死ぬほどくるしい船酔いしたときも
「吐いちゃあいかん!
吐いちゃあいけんぞよ!」

って自分に土佐弁で言い聞かせて(なぜ土佐弁?)

なんとか乗り切ったオイラさ。



けど、そんなこと言ってる余裕なんかなかったね。


いっぺんで胃の中がすっかりからっぽになるくらいの勢いで
吐いちゃった。

汚い話でごめんね。



で、吐き終わるとものすごい恐怖に襲われて
逃げちゃったんですぅ、わたし。


椅子を蹴散らして必死こいて逃げたね。



そんなバカなことがあるはずないんだけど、

まるで、あのおばあさんがおれを追っかけてきていて、

血と膿みだらけの手でおれの襟髪をつかもうとしている気がして、


ひたすら逃げ続けたよ。少し泣きながらね。


あああ、はずかしい。。。

それに、

考えてみりゃあひどい話だね。

あのおばあさんはぼくになんの危害を加えたわけでもない。


口さえきかなかった。

ただ手を出して助けを求めただけだったのに、


ぼくはその顔を見ただけでゲロを吐き、

ものも言わずに飛び出して逃げて行ったんだからね。


なんて失礼なことをしてしまったんだろう。



もう亡くなってしまったろうけど、


もしもう一度あのおばあさんに会えたら、、、


土下座して謝りたいと思うな。



長くてホントごめんなさい。

いつも読んでくれてありがとう!





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