先日ある方からいただいた
「写真はアップしないのか?」
というご質問ですが、、、
カメラもっていかなかったんですよ
ですからアップできる写真がないんです
ただ、インドのボンベイにいたときに
日本からたずねてきた友人が撮ってくれた写真が
数枚どこかにあったような気がするけど。。。
見つかったらアップしますね
さて、もう間もなくアフリカです!
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第二十四話 : この海のむこうは、の巻
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さて、ナポリでは日本を出てはじめてのホームシック!
になるほどのひどい目にあったけんどもよお、
気を取り直してアフリカに向かうでよ
でもまだ着かない
ナポリからどんどん南下して行って、
マフィアで名高いシシリア島へ
ここからは地中海をへだてて向こう側はもうアフリカ!
さっそく、アフリカ行きの船が出ることで有名な
パレルモっていう街へ
もうここはごぞんじイタリアン・マフィアのメッカ!
石を投げればマフィアに当たる、っていう
ことわざがシシリアにはあるとおり、
(ウソですよ、ウソ)
そこらじゅう、マフィアだらけ
もうね、街歩いてると
あちこちで銃撃戦が繰り広げられてるし、
街角には死体の山、また山
街をうろつく犬も銃で武装しているというありさま!
(信じちゃだめよ!こんなヤツの言うこと!)
さあ、船に乗るぞおっ!
ってんで、はりきっていたら、
パレルモよりもっとさきに、
もうホントにシシリア島の先っちょに
トラパニっていうちいさな港町があって、
そこから船に乗ったほうが安い!
っていう耳より情報があったので、
パレルモにはさっさとオサラバさ
なにしろ、「安い」っていうのは
貧乏旅人(たびにん、と読むざます)にとっちゃあ
最強の殺し文句
「安い」ってことばを聞いたらどこだって行っちゃいます。
で、すぐさまトラパニへ
トラパニでは何日くらい船をまったかなあ。。。
着いてすぐにチケットを買ってから
4~5日はいたような気がするんだけど、
な~~んにもない街でね、
それでもひたすら
街を歩きまわってると、
だんだん町の様子が分かってきておもしろくなってくるんだよ。
そうしているうちにナポリでやられたカゼもよくなってきたしね。
で、
この日も街をうろついていたら
7~8歳位くらいの牛乳ビン底ふう厚いメガネをかけたイタガキ
(前々回論理的に説明したとおりイタリア人のガキのこと。
板垣退助のことではない)
がおれさまのあとをついてくるのに気がついた
はじめは遠慮がちについてくるだけだったけど、
おいらのやさしそうな外見に気をゆるしたのか、
しだいにふざけた態度に変わり、
しまいには!!
「チン、チン、チ~ン!、チン、チン、チ~ン!」
って囃したてはじめやがったんです。
「チン」っていうのはイタリヤ語で
きっと中国人という意味なんだろう
とすぐわかった
旅をする日本人の中には
中国人とまちがわれるのをものすごく嫌がるヤツが結構いるけど、
アジア人以外には日本人と中国人の違いなんかわかるはずないし
おいらにもよくわからないときだってあるわけで。
だから間違われるのは別にかまわねえんだよ
ただ、このガキのいかにも中国人をバカにしたような
態度にはゲロ怒った
でもちょっとまってね
話はそれるけどそういえばこんなこともあったんだよ
ずっとのちのことだけど、西アフリカはガーナっていう
国にいたときね
ギニア湾岸沿いの街々をあるきまわっているうちに、
オーストラリア人とニュージーランド人の二人連れと
一緒になったんだよ
で、そいつらと歩いていると、
ガーナ人が、「チャイニーズ!」(中国人の意)
って声かけてくるんだよ
やっぱりめずらしいからね、東洋人、アフリカでは
で、おれが何にも言わないでいると、
一緒の白人たちが、
「ノー、ノー! ヒィ・イズ・ジャパニーズ!」
(和訳:ちがうってんだよ、このスットコドッコイめが!
このお方はハンサムですてきな日本人だ、ってんだ、
わかったか!)
などとムキになって代弁してくれるわけなんだよ
で、おいらに聞くわけ
「おまえはなんで中国人って言われて怒らないんだ?」
「え?なんで、怒らなきゃいけねえんだよ?」
「だって、今まで会った日本人はみんなおこってたぜ」
こころやさしいぼくちゃんはそんなことで怒るわけがない
しかし!!!
話はいきなりシシリア島はトラパニのくそイタガキに
もどるけんどもよお、
このガキゃあはなしは別だよ
こやつめの、「チン!チン!チ~~~ン! チン!チン!チ~~~ン!」は
わがアフリカの友人たちのやさしくてすっとぼけた、
「チャイニーズ!」という呼びかけとはまったくの
別物!!!だった
いかにも中国人同胞をバカにしきったこのイタクソガキの態度に
さすが、温厚さでは日本にこの人あり!といわれた
ロクデナシ君もハラワタが煮えくり返ったのだあああっ!!!
怒髪天をついたのだああああっ!!!!
ロクデナシ君は即座に客観的に状況を把握し、
ゴルゴ13のような冷徹さで(怒髪天をついたのではなかったのか、オレ)
作戦を遂行した
その作戦とはこうだ!
読者よ!照覧あれ!
そのガキがあいかわらず、低能ぶりを発揮して
「チン!チン!チ~~~ン!チン、チン、チ~ン!」
とはやしたてながらついて来るのを確認しつつ
少しずつ、少しずつ、
気づかれないように
人気のない路地に誘い込んでいったのだ
やがてあたりには人っ子一人いなくなった。
その袋小路のどんづまりまできたとき、
おいらは立ち止まってしずかにふりかえった
それでもまだ状況を把握できていないこの低能くそイタガキは、
「チン、チン、チ~ン!、チン、チン、チ~ン!」と
うれしそうに、かつ誇らしげに囃したてているだよ
おバカさんねえ、この子ったら
数秒後、
この人種差別偏見にみちた行いに容赦のない天誅がくだり、
あわれ、低能くそイタガキは、
トラパニの路地裏で
人知れず
塵埃にまみれて倒れ伏し、
ひくひくと痙攣していたのでありました
あのくそイタガキはこれでもう
生涯中国同胞をばかにすることはないであろう
ちょっとやりすぎですよ、
ロクデナシ君。
死んじゃったんじゃないですかあ?
いいや、だいじょうぶ。
だって、言うじゃないですか、
「イタガキ死すとも自由は死せず」って。
チャンチャン。
おそまつさまでした。
いや、もちろん死んじゃいませんよ
ちょっとおどかしてやった程度ですから
そんなわけで
パッチョロガキのアジア人への偏見に対する
偉大なる闘争に完全勝利!
怒りの鉄槌は下された!!
(大本営発表)
ロクデナシ君の勝利に沸きかえるトラパニの街をあとにして、
われらがロクデナシ君は
アフリカ行きの
もう少し具体的に言うと、
チュニジアの首都チュニス行きの船に乗ったのでありました
いやホントのこと言うとね、
ナポリのカゼと
ホームシック以来、
気持ちがおちこんで、すさんでいたね
だから、一刻も早くアフリカの土を踏みたかったんだ
もうここから海一つ越えたらユメにまでみたアフリカなんだ、
もう少しの辛抱だぞ、
この船が港についたらアフリカだぞ!!!
って、
自分に言い聞かせて奮い立つロクデナシ君でした
いつも読んでくれてありがとう
読者の皆さんがこころのささえです、ホントに。
じゃあね
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