そうそう、
「日本人はトルコではなぜもてるのか?」
というご質問を下さったSさん、
トルコは長年、隣国である強大なロシアに
痛いめにあわされてきたという歴史があります
ところが、日露戦争で、あのちいさな島国日本が
ロシアを負かしてしまった。
ロシアに煮え湯を飲まされてきたトルコ人たちは
これに快哉を叫んだ、というわけっす
そういうわけで、いまでもトルコ人たちは
日本が大好きなのです
歴史の知識に乏しいロクデナシ君の
なんちゃって一口講座でした
さて、最新号です。
アジアには思いのほか長くいちゃったね
トルコがアジアでは最後の国だったし、
イスタンブールはとくに東洋と西洋とが
まじりあった不思議な街ってよく言われるよね
実際、イスタンの街はアジア側とヨーロッパ側に海峡で隔てられていて、
大きな立派な橋を渡るともうそこはパッチョロになるんだよ
で、トルコをでたおいらは次の国ギリシャへと向かったんだ
トルコ側で出国手続きをすませると、歩いて長い橋を渡るんだけど、
その橋の真ん中が国境なんだね
ずいぶんいろんな国境あるいてわたったけど、
橋の上、ってえのはちょっとめずらしいかも
でね、
ギリシャに入ったら
とたんにヒッチハイクが難しくなったよ
ぜんぜん停まってくんないんだよね
なんどもめげそうになったなあ。。。
街も雰囲気的にはもう完全にパッチョロでね
きれいなんだけど物価高いしさあ、
アジアに帰りたくなったよ
きたねえけど、物価安いし
居心地いいし、
アジアはいいよ
おいらアジア人だし
で、まあ、なんとか首都のアテネに着いたんだ
でもなかなかいい安宿が見つからなくて、
何度か宿換えしたな
結局、いい安宿が見つかるかどうかですべてが決まる、
みたいなところがあるからね、
おれたち貧乏旅行者のビータ(旅のこと)はさ
いまはそんなのもうないらしいけど、
当時は木曜日はギリシャ中のすべての遺跡や
博物館がタダで入れたんだよ
これはよかったよ
だから、木曜になると朝早くからでかけて、
いそがしいんだよね、
普段はダラダラしてるくせに
で、その木曜はユウメーなアクロポリスの丘に行ってたんだよ
宿で出会ったチビでボーズ頭の日本人、キンちゃんといっしょにね
しばらくウロウロしてたら、
なんか、ツケラれてるような気がしてね
パッてふりかえると、なんか知らねえギリシャ人の女の子が
(そりゃ知らねえに決まってるけどよ)
わざとらしく目をそらせるんだよね
二人連れだったな
なんだよ、あいつら。。。
まさか、おいらがあの「ロクデナシさま」だって
知ってのことか!?
そんなことが何度かあって、
「なんかちょっといやなカンジぃ」
ってカンジぃ。
でもなんかちょっとかわいいから
ゆるしちゃう!ってカンジぃ!
(女子高生風、しかも超ミニスカ!
しかもルーズソックス!しかもガングロ!
しかも、、、
もういいね、すんません)
でね、
しばらくたったら、
意を決した、ってかんじで近づいてきたんだ、
そのふたりの子が
背の高い方の子が
(金髪、名前忘れた、かなり美人)
おいらよりへたな英語ではなしかけてきたよ
「オトモダチになりたいデ~~ス」みたいなことをね
そこですかさずおいらは
「よし!くるしゅうない!ゆるす!
オトモダチになってつかわすであります!
いますぐ暗いところに行くあるよろしデ〜〜ス!」
って言ったら
(言うわけねえだろ、このスットコドッコイがあ!)
彼女の言うのには、もうひとりの小柄な子
(マリアちゃん、15歳、めっちゃかわいい)が、
オレさまのことが好きなんだってよ
けっ!またかよ!
もうアキアキしたぜ、
ナオンってえのはよお、
まったく
人間の外観しか見ねえんだからよお、
こまったもんだぜ!
うそ、うそ、うそ!
もうその一瞬でぼくはアテネの青い空に
舞い上がり、
イカルスのように飛びカケッタのでありました
「旅にもてて、ゆめはアテネをかけめぐる」
(ロクデナシ君、心の俳句、しかも盗作
バショーよ、ゆるせ!)
で、おいらの美貌がもたらしたこれはいつもの当然の結果だが、
生涯ただの一度もモテたことのない
東洋のケダモノ、キンちゃんは!!
(ってか、キンちゃんがモテたわけじゃねえし)
この千載一遇の好機をのがすまいと、
もうひとりのなんとかちゃん(パツキン、かなりの美人)に
もうれつアタックを開始したが、
当然すぎるほど当然、2秒で玉砕。
ふられケダモノの雄叫びが!
アテネの空にこだまする!
ああ、あさましい恥ずかしい!
(ルーミックふう)
しかしぼくちゃんは、その後、マリアちゃんと
数回のデート。
(女性読者よ、妬くでないぞ)
でもよお、ギリシャってのはよお、
とつぜん口調も変わっちゃうけどよお、
むかしの日本みてえによお、
いや、いや、いや、
もっとはるかに封建的でよお、
(このてん、映画"My Big Fat Greek Wedding"を
ご参照ください)
結婚もしてねえのにデートなんて、
もう、ママは、ぜぇってえにゆるしませんからね!!
みてえな国なんだよ、これが!
娘とデートだああああっつ!!!
ぶっ殺したる〜〜〜っっ!!!
って、
へたすりゃ、パパに殺されちゃう!
みてえな雰囲気なんで、
そこは、もう、もちろん、
きよい、きよ~~~~い、おつきあいのロクデナシ君、
だったのです。(ウソ、じゃなかった、ホント)
でも、なんか、
ことばもあんまり通じねえし、、、
ふたりで、夕暮れのピレウスの港を
ことば少なに
あてどもなくぶらぶらあるいたりして、
それは、それは、淡~~~~~~い恋だったのよ
わらっちゃうんだけど、
マリアちゃんは、ブルース・リーの大ファンで、
「ブルース・リー知ってる?」とか、
「ブルース・リーはどこにすんでるの?」とか、
「ブルース・リーは何歳なの?」とか、
「ねえ、ブルース・リーに会ったことある?」とか、
熱心にきかれるからさあ、
おいら、サービス精神発揮しちゃって、
「ブルース・リー!?
も〜ちろん知ってるさあ!
会ったことだってあるとも!
だって、ブルースはぼくのしんせきなんだぜ!
えっへん、すごいだろう」
なんて言ったら、ぜ~~~んぶ信じちゃって、
うっとりして、
おおきなおめめはウルウル、
なが~~~いまつげはブルブル、
あげくの果てにゃあ
「ああ、なんてすてきなの!
わたし、あなたといっしょに行くわ!」
(げげっ!←ロクデナシ君こころの声)
そして
つぎの日、
「わたし、きめたの。
あなたといっしょに日本に行くわ!
ねえ、いいでしょっ!」
(ぐんがぎごがぁっ!パパにころされるぅっ!
←ロクデナシ君こころのさけび)
「わたし、あなたといっしょに日本に行って
ブルース・リーに会うのっ!
もうきめたのっ!」
(ごんぬずばぁっ もう死んでるって ブルースくん!
←ロクデナシ君こころの俳句、しかもオリジナル)
(ごんぬずばあ、は、オーケンふう)
と、まあ、そんなわけで。。。
じっさい、当時ギリシャではブルース・リーの大ブーム!
街を歩けば、ダイの大人が、
「ブルース・リー!」
「カラーテ!」
「オチョ~~~~っ!」(ブルース・リーのまねしてるつもり)
と、
めったやたらに声かけられるし、
メシはおごられるし、
ビールはのまされるし、
マリアちゃん(小柄でかわいい、15歳←知ってるよ!)
には逆ナンくうし、
で、もう、ロクデナシ君、もてもて!
トルコでももてたし、
「ああ、これがおれの人生の黄金時代だな。
ここでおれは一生分のモテ運を使いはたしたな。
これからは謙虚に生きていこう」
などとはツユほども考えず、
ひたすら無反省路線をどこまでもつっぱしっていく
ロクデナシ君でありましたとさ。
ところが、
これにはおそまつな後日譚がありまして、、
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
娑羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
驕れるものひさしからず
ただ春の世の夢のごとし
たけき者もついには滅びぬ
ひとえにカッパの屁におなじ
(ロクデナシ君、こころの屁ーけ物語、しかも盗作)
ってむかしの人が言ったろう!?
栄枯盛衰は世の常なのさ。
ロクデナシ君、
そのごアフリカに渡り、
数年後にギリシャを再訪したんだけど、
そのときにはブルース・リー・ブームは
とっくに過ぎ去っており、
街を歩いてもだれも振り返ってもくれませんでした、とさ。
ちょっとながかったね。
ごめんなさい。
でも読んでくれてホントにうれしいです。
こころから、ありがとう。
[2回]
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