すばらしいアフガンの夜だったなあ。。。
あのチャイハナも、マスターの接客も、山男風ミュージシャンも。。。
なにもかもが、百点満点ハナ丸つき、ってかんじだったよ。
もう、大満足!
で、音楽(と、ほかのもの)に酔いしれて、
凍った道に何度も足を滑らせながらようやく安宿に帰り着いたよ
もうね、寒くて寒くて凍りそうだった
そこは例によってひどい安宿だったけど
かろうじて薄いマットレスと毛布があるだけありがたかったね
それでね、
いつもなら、
寒いから毛布の下にそのままスルッと入って寝ちゃうんだけど、、、
なんだろうねえ、
そのときに限っていちど毛布をはいでから
寝ようとしたんだよ
理由なんかないよ なぜだかわかんない。
きっとこういうのを、
「ムシが知らせた」っていうんだろうと思うんだ
で、毛布をはいだときなにかね、
黒っぽいものが目に入ったんだよ。
あれっ、、、
と思ってよく見てみると
きゃあぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~っっっ!!!
なんとそれはサソリだったのよぉぉっ!!!
あとで聞いたんだけど、
この辺のサソリはそれほど毒が強くないっていうか、
子供のように体が小さくない限り
刺されても死ぬことはないけど
刺されると、1週間くらいは死ぬほど苦しみつづける、
んだってよ。
そりゃあ死ぬのもやだけどよお、
1週間のたうちまわるのだってジョーダンじゃねえぜ!
でね、
あとで考えたよ
もしね、もし、
あのとき、なんか胸騒ぎ、
っていうか、
ムシの知らせっていうか(シャレだね、いや、ねらってないよ)
そんなのがなくて、
いつものように
毛布をはがないで
そのままベッドに滑り込んで寝ていたら!!!
と思うとつくづくヤバかったなあと思うね。
知らせてくれたムシに感謝だね。
(サソリもムシだけどよ)
でね、あわててそいつを叩きつぶしてから、
(虫よ、ごめん、感謝はしてるんだけどね)
文句を言おうと思って宿の男のところに持っていったんだよ、
もうプリプリ怒ってさ
アフガン人ってけっこう寡黙で、
なんとなく不思議な雰囲気のある人たちなんだけど、
この男も、
黙ったまま、しばらくサソリを見つめてた
だいぶたってから、奴が変な顔をしてポツリとこう言ったよ。
「お前、誰かに恨まれてないか?」
・・・・・!
意表をつかれた、っていうか!
まったく意外な質問だったからさあ、
しばらく呆気にとられて黙ってたよ
っていうか、
言葉もありません!!!
ってかんじだね
その男が言うのには、
サソリというものは地べたにいるのであって
高いところには自分からは上がってこないよ、
誰かがお前のベッドに入れた
としか考えられねえな、というわけだ。
そんな、おいらみたいなやさしいだけの、
取り柄といえば、かわいいだけの好青年が
恨みなんかかうわけないでしょっ!
ふんっ、だ。
だけど知らないうちに恨まれてるなんてことも
もしかしたらあるのかもしれないし、
でも、いっくら考えてもわからないから、
気味悪かったけど寝ちゃったよ。
あれもヤバかったね。
あ〜〜〜〜あ、
あぶねえところだった!(安堵のためいき)
いや、
待てよ、
いまはじめて考えついたけど、
あの、宿のヤローが入れたんやないやろか!?
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