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さて、アルジェリアはサハラ砂漠のはしっこの
砂丘の街、エル・ウッドで、
安宿探しに疲れ果てたロクデナシ君が、

ついに見つけた今宵のドーヤ(やどのこと)はあああっ!




ーーー$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$ーーー

第二十九話 : 砂丘で野宿、ロクデナシ君、の巻

ーーー$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$ーーー




なんで!なんで!

なんでこの街には
安宿がねえんだよおおおおっ!

なんて思いながら歩き回っていると
いい加減疲れはてたころ、、、


町外れの砂丘のはずれの、

そうだな、道から砂丘一つ越えたあたりに
小屋が見えたんだよ



で、行ってみると

もうすっかり荒れ果てた無人小屋




誰も住んでいないのはあきらかだし、

もう捨てられてかなりたっていてボロボロだけど
いちおう屋根らしいものはあるし、

野宿には最適っていうかんじだったんだよ!これがあ!



おまけに、おもてには
「貧乏ビータ(たびのこと)の衆、御用達」
っていう看板がかかってるし(うそ)



早速そこを今夜のネグラと決めて、
町でメシを食ってから帰ってきたんだけど、、

他にすることもないからず~~~っと砂丘を見ていたわけ



まあ、それでね、

砂丘の一日の変化に
やけに詳しくなったわけさ


でも実際には
その砂丘の色合いの変化の!

あまりといえばあまりの凄さに

ボーゼンとなって見とれていて、


気がついたらあたりはもう真っくらくらのくら!
夜はこうこうと更けまする(中原中也ふう)



小さな町だからろくに明かりもないし、

砂丘ひとつ隔てているから明かりもとどかないし、


もうね、まっ暗闇の中ですることもないから
しょうがねえから寝ちゃったよ



そうしたらその夜砂嵐がきやがってよお
すげえんだ、砂漠の砂嵐ってのは

寝袋のなかに頭までスッポリ入って

頭の上から毛布を巻いて寝るんだけど
目が覚めたら全身砂に埋もれていた、
外へ出るのに砂をかきわけかきわけ


30分くらいかかってようやくお天道様がおがめる!
ってえのが
サハラの砂嵐ってもんよ


でもこの晩は
ありがてえことに

ボロだけど小屋があるし
あまり気にしねえでよく眠れたよ



でもさあ、
早く寝たから早く起きちゃってさあ、

目が覚めたときはまだ真っ暗だったよ



電気なんかあるわけねえし、

懐中電灯なんかもちろん持ってねえし、


時計も見えねえから時間さえわかんないけど、


夜明けまでには
まだまだかなりた~~~っぷり時間がありそうな感じだったよ



とにかく!
あんなに暗い夜は生まれて初めてだったね



月のヤローも出てやがらねえし、


たぶん砂嵐のせいで
星も見えなかったと思う


とにかく真っ暗で、

真の闇というのはこういうものなのかああっ!

まるで手でさわれるほどの暗闇だったよ(出エジプト記ふう)


だってね、だってさ、

きいて、きいて!



目の前に自分の手をもってきても
どんなに目を見ひらいてもどうしても
自分の手がみえないのよっ!




ねえ、
そんなのって、あるぅ?
(あるんだよ、うるせえな、って思ったでしょ?いま)



しかたなく寝転がって
天井とおぼしきあたりをみつめているうちに

な、なんだか怖くなってきちゃってさ、


なんか、なんかさ、

見えない天井の辺りには!!



毒ヘビかサソリか!!!

そんなものでもひそんでいて

今にもおいらの顔の上に落ちてきそうな気がし始めて、


もう怖くて怖くて
いても立ってもいられないんだけど!!!


だってよお、
寝てたらカオのうえに

毒へビやサソリがおちてきてみな!!


どうするよ!?オイっ!?


って、でも、どうしようもねえじゃん?

どうしようもねえからよお、

そのまま寝転がっているしかねえじゃん?
(ハマッ子ふう)


でも、恐怖はつのるばかり


んで、

もう我慢できなくなって!!!!!



気が狂いそうになって
さけびだしそうになった
まさにそのとき!!!




うっすらと手が見えたんだ

「あれっ!?手が見える!」


で、
外を見てみると、、、



砂丘の上辺あたりが

ほんの少~~し白んできているみたいだった


おもわずおいらは一首詠んだね


"やうやう白くなりゆく砂丘ぎは
すこしあかりて
むらさきだちたる雲の
ほそくたなびきたる"


う~~~~む、ふかいっ!


などと盗作にいそしむまもなく、

あたりはどんどん明るくなっていき、、、、、、、




ついに!、ああっ!ついに!


山ぎはに、じゃなくて砂丘ぎはに、


太陽がその端っこをチョビッとだけ見せたその瞬間!、


真っ暗闇に

一条の鋭い光が闇をつんざいて閃きわたったのですぅっ!




その瞬間、

闇も恐怖もすべて一瞬のうちに消え去ったよ!!!



ああ、日の光よ!
空よ!
砂よ!

きみたちはみんなぼくの友達だ!

生きてるってすばらしいっ!


ああ、生きとし生けるものよ!
(うるせえ!
死んじゃえ!バカヤロー!っていま思ったでしょう?)



でもほんとに日の光っていうのはすごいんだね、

あれほどの闇も恐怖も
一瞬にして消し去っちゃうんだから


それに砂漠ってね、

夜はかなり冷えこんで寒いんだけど、

日がさした瞬間にさあっと熱が伝わってきたんだよ


空気までが変わっちゃったような気がして、

それまで寒さと怖さで
ガタガタふるえてたんだけど、


もうね、
一瞬でからだじゅうが温まったよ


あれは忘れられないなあ



じゃあね(バグミーヌふう)








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