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第三十一話 : 失恋魔術師!ロクデナシ君、の巻

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アルジェリアはコンスタンチンを出発したロクデナシ君

電話工事のやさしい人たちは仕事がてら街はずれまで
送ってくれたんだ


これがねえ、
ヒッチハイクする者にとってはホントに助かるんだよ


だってね、
ヒッチって、街の真ん中じゃあできないもんなんだよ

目的地方向にむかって街を出はずれたところがベストなんだ
知らなかったでしょう?

だから、もうあの人たちの方には
足向けて寝られませんよお
いくらオイラが恩知らずのロクデナシだって、ねえ




ともあれ、

彼らの車を降りるや否や、
やってきた車が停まってくれたんだよ


まあ、なんてヒッチが簡単なんでしょう!

世界中にこんなところって他にないと思うよ



で、親切な日本人のみなさんとの
ちょっとさびしいお別れのあと、
おいらは一路、首都アルジェへと向かったのさ


アルジェって、名前だけでもなんか心惹かれない?


途中、2~3台乗り継いだけど、ヒッチは順調。

一泊二日でアルジェ到着!


でっかい街でね、

建物が白っぽいから、全体に白のイメージがあるな、アルジェは。。。


海沿いのきれいな街だったなあ。。

なんとなく旅情をさそうっていうか。。



「涙じゃ ないのよ 浮気な雨に
 ちょっぴりこの頬 濡らしただけさ
 ここは地の果て アルジェリア
 どうせカスバの夜に咲く
 酒場の女の うす~情けえ~」


あ~~~あ、
地の果て、かよお。。。


おもわず一節ぜんぶ歌っちまったよお、このシャイなおいらが




さて、

アルジェではめずらしく「しなきゃいけないこと」
がいくつかあったんだ



ひとつは、隣国マリ共和国のビザを買うこと
マリなんて国、知らなかったでしょう?

おいらはここから南下してサハラ砂漠を縦断するつもりだからよお



で、その、サハラの南側にあるマリへ抜ける道をえらんだわけ





アルジェからサハラを縦断するには当時三つのルートがあったんだ


ひとつは、南のニジェールっていう国のアガデスへ抜けるルートで、
これが一番ポピュラー


途中にはタマンラセットっていう観光名所があったりするので
これを選ぶ人が一番多いみたい




二つめは、ぐっと西のモーリタニアに抜けるルートがあるんだ

でも、このルートは当時まったく通行不可能だったので、
これを選ぶのは無理ってもんだね




三つめが、マリのガオっていう街に抜けるルートで、
これはニジェール・ルートよりマイナーでキツい、っていう
はなしだった

一つめの、ニジェール・ルートは、タマンラセットまで舗装されてる、
っていううわさもあったし、
車もたくさん通るらしいんだ



ギリシャのアテネで会ったキンちゃん(おぼえてまっか?
アクロポリスの丘でおいらのかわいい笑顔にひとめぼれした
マリアちゃん15歳、と一緒にいた金髪美少女に、
一発玉砕したあのキンちゃん)は、
この二つのルートを両方通ったことがある、
というツワモノ、というかバカモノ



キンちゃんによれば、
キツいけどマリ・ルートの方が
絶対おもしろい!
っていうのでおいらもマリ・ルートに決定っ!!!


説明長くなっちゃったけどよお、



そんなわけで、アルジェでマリのビザを取らなきゃ(もとい、
買わなきゃ)いけねえ、ってわけさ。




で、もう一つの用事が、めずらしく日本大使館にあったのさ。

それはね、きいてきいて!



日本からのおてまみ、じゃなかった、
お手紙を受け取ることだったの!!


ってかよお、

まあ、何ヶ月かに一回くらい、
「次はたぶんこの街に行くんじゃないかなあ。。」ってことが
わかってるときに

家族なんかに、「どこどこの街に手紙出しといてくれたら
受け取れるかもしれねえよ」ってなことを
言っておくわけさ


で、うまくいって、ホントにその街に行けた場合、

そしてうまくその手紙が届いていて、
しかもちゃんと保管されていた場合には

受け取れるかもしれない、

これしか連絡の取りようがないんだからね




でも、今は世界中どこでもインターネットで連絡できるんだから
すげえよね

おいらのビータの頃はそんなこと考えられなかったよ



親はさぞ心配だったろうね。。。
わるいことしたなあ。。。


もうふたりとも
死んじゃったけどね



シンミリ、、、ロクデナシ君。。



で、まあ、またまた説明長くなっちゃったけどよお、

そんなわけで、アルジェの日本大使館に行かなきゃならなかったわけさ



ところがドッコイ!

そうは簡単にはいかないのが、第三世界を行く貧乏ビータの宿命さ



このころのアルジェリアは、

「古き良きアラブに帰れ」みたいな運動が盛んで、
たしか、ブーメディエンっていうヒゲのとっつぁんが大統領で、


こういう運動にチカラ入れてやがったのさ


それで、街中のお店の看板、道の名前を書いた標識、

なにもかもが、ぜんぶアラビア文字に書きかえられていた、ってわけなんだよ



ちょっとまえまでは、街中のすべてがフランス語で書かれていたのにだよ!


だからさあ、読めるわけないでしょ、アラビア文字の看板なんて、
いくらおいらがかわいいからって!



まあ、おいらはこういう反植民地主義的なことが
好きだから、いいんだけどお、

いいぞ、がんばれよ、
みてえな気持ちはあるんだけどよお



それにしても、途方に暮れちゃうよお。。。


だいたいねえ、

街に着いてはじめにすることは安宿さがしなんだけど、

「HOTEL」っていう文字だって書いてないんだから。。。



ようするに、
いくらこの街をあるきまわっても


読めることばが ひとっつもないっ!

ってことだよ



結局、三週間くらいこの街にいて、みつけた唯一のアルファベット文字は

この街で一番でかくて高いホテルの看板だけだったよ

それ以外はぜ~~~~~んぶ、アラビア文字


おいらが泊まれるような安宿には、
もちろんアルファベットなんか書いてないよ



もしかしたら、これは安宿だろうか。。。
とおもわれる民家のような
建物に入っていって訊いてみるしかないんだよ


けっこうはずかしいんだよ、これって



でもね、
そのうち、ホテル、っていうアラビア文字だけは
判読できるようになったけどね

たいしたもんだろう、
エッヘン!


まあ、そんなわけで並大抵の苦労じゃなかったね



で、日本大使館は一応住所がわかっていたから、すぐ見つかるだろう、
とおもっていたんだけど、
とんでもねえ!


観光案内所できいてもわからない
(大体、首都の観光案内所で英語が通じないんだから)、

おまわりさんに訊いてもわからない、

一計を案じて郵便局で訊いてもわからない!!!


困ってしまって、わんわんわんわ〜ん♪
わんわんわんわ〜ん♬


じゃあ、誰に訊きゃあわかるんだよ!!!!
ってかんじでげしょ?

わかってね、このつらさとイライラ


いやね、
アルジェリアの人たちは
ホント、親切なんだよ

でもね、
ことばがまったく通じない
文字もまったく読めない
ってえのは
つらいもんだね



おいらのビータ中でも屈指の困難さだったね



でもね、、、

ああ、もう!ホントにダメだ、こりゃ!


っておもったときに、たすけがあらわれたんだから、

人生捨てたもんじゃねえよ




失望に肩を落として歩いていたおいらが

フと気がつくと目の前にバス運転手の詰め所らしきものが。。。


なかで休んでいたおっさんに、ダメモトで訊いてみると。。。


ほかの運転手さんたちにほうぼうで訊いてくれて、

ついに!


おいらをあるバスに乗せてくれたのさ

で、そのバスの運転手になにか説明してくれて、


まもなくバスは出発〜!


だいじょうぶかなあ。。。と不安な表情もカワユゲなロクデナシ君





何十分か乗ったところでバスは停まり。。。

でもあたりには日本大使館どころか人家もない


「ええ~~~っ、こんなところかよ。どうすんだよお。。」

と思ってると、、、



バスの運ちゃんも一緒に下りてきて、おれとならんで立ってるんだよ

バスと乗客ほったらかしてね


で、まつことしばし。。。



そこへあらわれたもう一台のバス

両手をぶんまわしてそれを停めた運ちゃん



その新しいバスの運ちゃんと二言三言話すと、
おいらに「乗れ」と合図


わけもわからず従うと新バスは走り出す

ますます不安。。。




でもしばらく走るとバスは停まり、運ちゃんの指差すところに

ああっ!!!! 日の丸があああっ!



この親切なバスの運ちゃんたちの見事な連係プレイで、

無事日本大使館につけたよお、おっかさん!


おまけにかれらはバス代もとらなかったんだよ!




アルジェのバスの運ちゃんたちは、ヒゲ面でおっかねえけど、
ホントにしんせつだったよ




マリ大使館も、そのちょうしでなんとか発見できて、
(ハショリすぎ?)メデタシ、メデタシ





最後に一つ、


そんなある日のこと、

例によってアルジェの街をひとりでブラブラしていると、

街角でふるいラジカセがんがん鳴らしてる
タバコ売りの兄ちゃんが。。。


フルボリュームでかけてるから、
音が割れちゃって
ほとんど曲が聞こえないジョータイ



「もっと小さい音でかけろよ!」
と思いつつ通り過ぎようとすると、
フと、足を止めるすてきな青年、ロクデナシ君




「え!?」

そのがんがん音割れのラジカセ音楽、
もういちどよく聴いてみると

「え?これ、日本語じゃねえ?」




しかも!

な、な、な、なんと、

おいらのだいすきな太田裕美ちゃんの、


「失恋魔術師」っ!!! ではないかあああっ!


おもわずそこへ坐りこみ、
そのあと何時間も
タバコ売りのニィちゃんに
同じアルバム、ってか、カセットテープ、
をかけ続けてもらって
涙ぐむロクデナシ君でありました


でも、

なんで、アルジェで、「失恋魔術師」?






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