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第三十二話 : 死闘!サハラ砂漠篇、の巻

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さて、アルジェでビザ買いやらなにやらで
ちょっと手間取ってしまい、
思いのほか長居をしてしまったロクデナシ君、

いよいよサハラ砂漠縦断に向けて出発!



前にも言ったと思うけど、
とにかく南に行きゃあ、サハラ砂漠をこえて
マリに着くだろう、ってんで
南だああっ!

でも、ちょっとおちついて地図でも見てみるか、
ってんで、

レストランガイドで有名な
フランスはミシュラン社(あの、ほら、
ミシュランの三ツ星だとか、いう、あれだよ)
の地図を見てみたんだよ


今はどうか知らないけど、
当時はアフリカの地図っていえば
もうミシュランしかない、
ってくらいだったよ

だからおいらもアフリカにつくやいなや、
チュニスの本屋で買ったんだ、
ミシュランの「アフリカ北部」っていう地図を



いや、まてよ、「アフリカ北西部」だったかな?
たしか、アフリカ全土を3つにわけてたんだよね。
あとは、東と南、の二部だったかなあ。。。


バカヤローめが!どうでもいいんだ、そんなはなし!
とっとと先へ進みやがれ!
(読者怒りの俳句)




まあとにかく、当時はアフリカの地図っていえば
圧倒的にミシュラン社だったね

とくに、アフリカ北西部と西部は
もとフランスの植民地だった国が多いから
もうミシュラン社の独占状態みたいだったよ





よけいな話が長くなっちゃったけど
とにかく出発前に地図を広げてみたら
なんとアルジェから南に向かって鉄道があるのを発見!

なんども言ってきたけど、
このあたりは世界でももっともヒッチハイクがしやすい場所なんだよ

だから、汽車に金払って乗るのはもったいねえな、
と思ったんだけど。。。




アフリカって汽車があんまり走ってないし、
めずらしいから乗ってみるか、ってんで
乗ったらこれが大正解!


景色がすばらしかったんだよ





アルジェを出発してしばらくは、
ああいうのを地中海性気候っていうんだろうね、

オレンジやオリーブの木々にしげる緑濃い葉、

その合間に見え隠れするたわわに実るうまそうなオレンジ!


このあたりのオレンジはホントにめちゃくちゃうまいし、
死ぬほど安いもんだから、
毎日喰いまくってあのころは毎日ゲリっぽかったくらい


きたねえはなしでごめんよ

でも、そういう見渡すかぎり緑とオレンジの色彩は
目にやさしくて、こころがなごんだね


荒みきったおいらのこころでさえね
ふんっ!だ



でね、さらに南下していくと、
いきなりけっこう険しい山地に入っていくんだよ



ええ~~~っ!
山なんかあるかよ!
って思って地図みたら

これがサハラアトラス山脈っていう
けっこうな山脈なんだね




でこの山々を
ようやく登りつめたとおもったら、
こんどは急に下っていくんだけど、

もうね、景色が一変するんだよ




山の北側はさっきも言ったように
みどり豊かななごみの景色なんだけど、


南側にうつるや否や!!


そこは砂漠の始まりをおもわせる乾燥地帯なんだよ
もう赤茶けた岩と砂ばかりの世界!



地中海からふいてくる湿った風が
このサハラアトラス山脈にあたって雨を降らせるので
北側は温暖な地中海気候

でも雨を降らせて乾いてしまった風はそのまま山を越えて



南側には「おめえに降らせる雨はねえっ!」
ていうあまりにもつめたい仕打ち


その結果、地中海に捨て去られた南側には

ただただ乾燥地帯がひろがる、ってわけね



(ロクデナシ君の知ったかぶり地理講座、しかも受け売り)




それが、南に行くに連れて
あれよあれよという間に
どんどん乾燥度を増していって、


気がついたらもうあたりは砂漠ちゃん!




ようやく着いた小さな街がジェルファっていうとこ


疲れたけど、
なかなか見所のたくさんある
汽車の旅だったわい

ってんで満足してこの街に一泊



翌朝からヒッチでさらに南下開始





でね、さばくってさあ、、、

砂が一杯で砂の丘が延々波打って続いている、
ってイメージでしょう?

ところがどっこい、
そうは問屋が簡単には卸してくれねえんだよ



ああいうのはね、
砂丘っていって、さばくのほんの一部に過ぎないんだよ




まあいいや、この話はサハラのもっと真ん中ちかくまで
行ったときにまた話そう





このあたりでおどろいたのはあ、


やたらに起伏が激しい、ってことなんだよ

もうね、
ふか~~~~い谷があるかとおもえば、

反対側には切り立ったたか~~~~いガケ!



で、あちこちにいわゆるひとつの(長嶋茂雄ふう)
オアシスがあって、

そこだけナツメヤシの木なんか生えていて
水があってみどりがあって
いのちがある、ってかんじなのよお



そこはもちろん街や村になっていて、
市場がたったり
バスが停まったり、
羊がメエ~~~ってないたり、
はだかのガキがションベンしてたりするわけ




なんかもう、そういう小さなオアシスをひとつひとつ
全部見ていきたい!
っておもうくらいおもしろそうなんだけど、

そんなことしてたら死ぬまでサハラを越えられねえからよお、

ざんねんだけどそのへんは割愛しつつ旅は続くのよ



で、ジェルファを出てから何日めくらいかなあ。。。

かなりおおきな街に着いたんだ
ガルダイアっていう、なんか響きのいい名前の街だね



たしか、平坦な道が突然谷底に向かって
下っていくようなところだったとおもうんだけど、



まさに突然あらわれるんだよ、
このガルダイアのヤローがよお



それがねえ
ものすごくインパクトの強い街で

街全体がなんというか、バカでかい三角形の山みたいな形でね、
てっぺんにイスラムの塔みたいのがそびえ立ってるんだ


そこから下にむかって斜面にびっしり家が建ってるんだよ

街はものすごくにぎわっていて、
砂漠のなかだっていうのに
いろとりどりの野菜や果物なんかもけっこうあってね、


ここで喰った羊の肉のせライスが
めっちゃうまかったなあ。。
あれ、もう一回くいてえなあ(よだれ)



ところが!!

好事魔多し!とのことわざのごとく!



ハラいっぱいになって
にぎわう道を歩ってたら!!!





いきなりっ!だよ


もうホントにいきなりっ!!!


うしろからハゲしい体当たりくらってさあ!!!

すわ!強盗かっ!ってんで
身構えたら。。。





うしろにいたのはいっぴきの ヒ・ツ・ジ!



いまだに理由はわからねえんだけど
そのヒツ公(ひつじのことね)がよお

おいらのキュートなツーケに(ケツのことね)
はげしく頭突きをくらわしやがったのよ!





「てめえ、なんでこんなことしやがるんだあああっ!!
おいらが誰だか知ってのことかああああっ!」って
やさしく理由をきいても、
日本語も英語もフランス語もつうじねえし


まったく教養のねえヒツ公はこまったもんだよ



でもね、
もしかしたら
直前においらが喰ったヒツジ肉のせライスのヒツジは


あのヒツ公の友達だったのかなあ。。。。
おいらにダチ公のカタキウチでもしたかったのかなあ。。

なんて考えたら。。


なんだかかわいそうになっちゃって、、、




なんてことにはまったくならず
怒り心頭に達したおいらは
おもいっきりそのゆるんだシボウケツに
秒速20メートルのまわしげりを入れて
正義の鉄槌を喰らわせてやったのよ



けっ!
これに懲りたら二度と日本人をなめるんじゃねえぞ!

と、ちょっと小粋な捨てゼリフをのこして

夕陽傾くガルダイアの丘を下っていく
ちょっとおセンチな
ロクデナシ君だったのでありました



「死闘!サハラ砂漠篇」 完



拍手[9回]

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第三十一話 : 失恋魔術師!ロクデナシ君、の巻

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アルジェリアはコンスタンチンを出発したロクデナシ君

電話工事のやさしい人たちは仕事がてら街はずれまで
送ってくれたんだ


これがねえ、
ヒッチハイクする者にとってはホントに助かるんだよ


だってね、
ヒッチって、街の真ん中じゃあできないもんなんだよ

目的地方向にむかって街を出はずれたところがベストなんだ
知らなかったでしょう?

だから、もうあの人たちの方には
足向けて寝られませんよお
いくらオイラが恩知らずのロクデナシだって、ねえ




ともあれ、

彼らの車を降りるや否や、
やってきた車が停まってくれたんだよ


まあ、なんてヒッチが簡単なんでしょう!

世界中にこんなところって他にないと思うよ



で、親切な日本人のみなさんとの
ちょっとさびしいお別れのあと、
おいらは一路、首都アルジェへと向かったのさ


アルジェって、名前だけでもなんか心惹かれない?


途中、2~3台乗り継いだけど、ヒッチは順調。

一泊二日でアルジェ到着!


でっかい街でね、

建物が白っぽいから、全体に白のイメージがあるな、アルジェは。。。


海沿いのきれいな街だったなあ。。

なんとなく旅情をさそうっていうか。。



「涙じゃ ないのよ 浮気な雨に
 ちょっぴりこの頬 濡らしただけさ
 ここは地の果て アルジェリア
 どうせカスバの夜に咲く
 酒場の女の うす~情けえ~」


あ~~~あ、
地の果て、かよお。。。


おもわず一節ぜんぶ歌っちまったよお、このシャイなおいらが




さて、

アルジェではめずらしく「しなきゃいけないこと」
がいくつかあったんだ



ひとつは、隣国マリ共和国のビザを買うこと
マリなんて国、知らなかったでしょう?

おいらはここから南下してサハラ砂漠を縦断するつもりだからよお



で、その、サハラの南側にあるマリへ抜ける道をえらんだわけ





アルジェからサハラを縦断するには当時三つのルートがあったんだ


ひとつは、南のニジェールっていう国のアガデスへ抜けるルートで、
これが一番ポピュラー


途中にはタマンラセットっていう観光名所があったりするので
これを選ぶ人が一番多いみたい




二つめは、ぐっと西のモーリタニアに抜けるルートがあるんだ

でも、このルートは当時まったく通行不可能だったので、
これを選ぶのは無理ってもんだね




三つめが、マリのガオっていう街に抜けるルートで、
これはニジェール・ルートよりマイナーでキツい、っていう
はなしだった

一つめの、ニジェール・ルートは、タマンラセットまで舗装されてる、
っていううわさもあったし、
車もたくさん通るらしいんだ



ギリシャのアテネで会ったキンちゃん(おぼえてまっか?
アクロポリスの丘でおいらのかわいい笑顔にひとめぼれした
マリアちゃん15歳、と一緒にいた金髪美少女に、
一発玉砕したあのキンちゃん)は、
この二つのルートを両方通ったことがある、
というツワモノ、というかバカモノ



キンちゃんによれば、
キツいけどマリ・ルートの方が
絶対おもしろい!
っていうのでおいらもマリ・ルートに決定っ!!!


説明長くなっちゃったけどよお、



そんなわけで、アルジェでマリのビザを取らなきゃ(もとい、
買わなきゃ)いけねえ、ってわけさ。




で、もう一つの用事が、めずらしく日本大使館にあったのさ。

それはね、きいてきいて!



日本からのおてまみ、じゃなかった、
お手紙を受け取ることだったの!!


ってかよお、

まあ、何ヶ月かに一回くらい、
「次はたぶんこの街に行くんじゃないかなあ。。」ってことが
わかってるときに

家族なんかに、「どこどこの街に手紙出しといてくれたら
受け取れるかもしれねえよ」ってなことを
言っておくわけさ


で、うまくいって、ホントにその街に行けた場合、

そしてうまくその手紙が届いていて、
しかもちゃんと保管されていた場合には

受け取れるかもしれない、

これしか連絡の取りようがないんだからね




でも、今は世界中どこでもインターネットで連絡できるんだから
すげえよね

おいらのビータの頃はそんなこと考えられなかったよ



親はさぞ心配だったろうね。。。
わるいことしたなあ。。。


もうふたりとも
死んじゃったけどね



シンミリ、、、ロクデナシ君。。



で、まあ、またまた説明長くなっちゃったけどよお、

そんなわけで、アルジェの日本大使館に行かなきゃならなかったわけさ



ところがドッコイ!

そうは簡単にはいかないのが、第三世界を行く貧乏ビータの宿命さ



このころのアルジェリアは、

「古き良きアラブに帰れ」みたいな運動が盛んで、
たしか、ブーメディエンっていうヒゲのとっつぁんが大統領で、


こういう運動にチカラ入れてやがったのさ


それで、街中のお店の看板、道の名前を書いた標識、

なにもかもが、ぜんぶアラビア文字に書きかえられていた、ってわけなんだよ



ちょっとまえまでは、街中のすべてがフランス語で書かれていたのにだよ!


だからさあ、読めるわけないでしょ、アラビア文字の看板なんて、
いくらおいらがかわいいからって!



まあ、おいらはこういう反植民地主義的なことが
好きだから、いいんだけどお、

いいぞ、がんばれよ、
みてえな気持ちはあるんだけどよお



それにしても、途方に暮れちゃうよお。。。


だいたいねえ、

街に着いてはじめにすることは安宿さがしなんだけど、

「HOTEL」っていう文字だって書いてないんだから。。。



ようするに、
いくらこの街をあるきまわっても


読めることばが ひとっつもないっ!

ってことだよ



結局、三週間くらいこの街にいて、みつけた唯一のアルファベット文字は

この街で一番でかくて高いホテルの看板だけだったよ

それ以外はぜ~~~~~んぶ、アラビア文字


おいらが泊まれるような安宿には、
もちろんアルファベットなんか書いてないよ



もしかしたら、これは安宿だろうか。。。
とおもわれる民家のような
建物に入っていって訊いてみるしかないんだよ


けっこうはずかしいんだよ、これって



でもね、
そのうち、ホテル、っていうアラビア文字だけは
判読できるようになったけどね

たいしたもんだろう、
エッヘン!


まあ、そんなわけで並大抵の苦労じゃなかったね



で、日本大使館は一応住所がわかっていたから、すぐ見つかるだろう、
とおもっていたんだけど、
とんでもねえ!


観光案内所できいてもわからない
(大体、首都の観光案内所で英語が通じないんだから)、

おまわりさんに訊いてもわからない、

一計を案じて郵便局で訊いてもわからない!!!


困ってしまって、わんわんわんわ〜ん♪
わんわんわんわ〜ん♬


じゃあ、誰に訊きゃあわかるんだよ!!!!
ってかんじでげしょ?

わかってね、このつらさとイライラ


いやね、
アルジェリアの人たちは
ホント、親切なんだよ

でもね、
ことばがまったく通じない
文字もまったく読めない
ってえのは
つらいもんだね



おいらのビータ中でも屈指の困難さだったね



でもね、、、

ああ、もう!ホントにダメだ、こりゃ!


っておもったときに、たすけがあらわれたんだから、

人生捨てたもんじゃねえよ




失望に肩を落として歩いていたおいらが

フと気がつくと目の前にバス運転手の詰め所らしきものが。。。


なかで休んでいたおっさんに、ダメモトで訊いてみると。。。


ほかの運転手さんたちにほうぼうで訊いてくれて、

ついに!


おいらをあるバスに乗せてくれたのさ

で、そのバスの運転手になにか説明してくれて、


まもなくバスは出発〜!


だいじょうぶかなあ。。。と不安な表情もカワユゲなロクデナシ君





何十分か乗ったところでバスは停まり。。。

でもあたりには日本大使館どころか人家もない


「ええ~~~っ、こんなところかよ。どうすんだよお。。」

と思ってると、、、



バスの運ちゃんも一緒に下りてきて、おれとならんで立ってるんだよ

バスと乗客ほったらかしてね


で、まつことしばし。。。



そこへあらわれたもう一台のバス

両手をぶんまわしてそれを停めた運ちゃん



その新しいバスの運ちゃんと二言三言話すと、
おいらに「乗れ」と合図


わけもわからず従うと新バスは走り出す

ますます不安。。。




でもしばらく走るとバスは停まり、運ちゃんの指差すところに

ああっ!!!! 日の丸があああっ!



この親切なバスの運ちゃんたちの見事な連係プレイで、

無事日本大使館につけたよお、おっかさん!


おまけにかれらはバス代もとらなかったんだよ!




アルジェのバスの運ちゃんたちは、ヒゲ面でおっかねえけど、
ホントにしんせつだったよ




マリ大使館も、そのちょうしでなんとか発見できて、
(ハショリすぎ?)メデタシ、メデタシ





最後に一つ、


そんなある日のこと、

例によってアルジェの街をひとりでブラブラしていると、

街角でふるいラジカセがんがん鳴らしてる
タバコ売りの兄ちゃんが。。。


フルボリュームでかけてるから、
音が割れちゃって
ほとんど曲が聞こえないジョータイ



「もっと小さい音でかけろよ!」
と思いつつ通り過ぎようとすると、
フと、足を止めるすてきな青年、ロクデナシ君




「え!?」

そのがんがん音割れのラジカセ音楽、
もういちどよく聴いてみると

「え?これ、日本語じゃねえ?」




しかも!

な、な、な、なんと、

おいらのだいすきな太田裕美ちゃんの、


「失恋魔術師」っ!!! ではないかあああっ!


おもわずそこへ坐りこみ、
そのあと何時間も
タバコ売りのニィちゃんに
同じアルバム、ってか、カセットテープ、
をかけ続けてもらって
涙ぐむロクデナシ君でありました


でも、

なんで、アルジェで、「失恋魔術師」?






拍手[13回]






さて、エル・ウッドの砂丘のただ中で野宿をしたロクデナシ君、

ぶじに翌日出発

ヒッチハイクをくりかえして、
かなり大きな街、コンスタンチンに着いたのさ


ここは巨大なそそりたつ岩山、というか、
まるで臼歯のようなかたちのどデカい岩の上につくられた街で、
天然の要塞というかんじだったね

街自体はどうってことなかったけど、
ここでちょっとおもしろいことがあったんだ



街に着いて何日かたってからのことだけど、
道を歩いていたらむこうから明らかにアジア人と思われる
4~5人の男性が歩いてくるんだよ

むこうもおいらのことに気がついていて、
すれちがいざまにいきなり日本語で話しかけてきたんだ


おどろいたね
ぶっとんだね

だってさあ、、
アルジェリアのコンスタンチンだよ

聞いたこともないでしょ?
こんな街の名前


だからおいらも
いくらなんでもこんなとこに日本人がいるはずねえだろ、
って思ってたから完全に意表をつかれたね




もっとも、いまでこそ、台湾人や韓国人があちこちを
旅行しているのに出会うけど、

(じっさい、8年前に南米に行った時には
日本人でないアジア人が多く旅行しているので
クリビツテンギョーしたけどね)
(標準語訳:ビックリ仰天)
こういうくだらないこと言ってるから
話が進まねえんだよな




この当時は旅行者っていったら日本人しかいなかったからね

でもコンスタンチンで会ったこの人たちは旅行者には見えないし。。。




はなしかけられて立ち話が始まっちゃったんだけど、
かれらは日本から電話を引きにきている技術者たちだったんだよ
もうこの街に3ヶ月くらいいるんだって



で、おヒルを一緒に食べよう、ってさそわれて、

(かれらもまさかこんなところで日本人に会うとは
思ってもみなかったようで、
そうとうクリビツテン、、、いや、もういいや)



おいらにとってはものすごく高~~いおヒルをごちそうに
なったのみならず、

実は彼らのホテルの部屋のあいてるベッドに
泊めてまでいただいちゃったんだ

うふっ、おちゃめなロクデナシ君!




でもかれらにしても
おいらの話すビータの話が相当おもしろかったらしくて、
夜中まで話し込んでね

おいらも日本語話すのひさしぶりだったから
うれしかったし。。




で、この街のこととか教えてもらいたくて、
いろいろおしえてもらってたんだけど、



「じつはこの街にはものすごくあぶないところがあって、
そこは現地の人も入るのをためらうようなところなんだ

外国人なんかがまちがって入ろうものなら、
もう二度と生きては出てこられないほど危険なんだよ

ロクデナシ君も気をつけてそこだけは行かないようにね」




っていうほんとにたすかる
ありがた~~~~い情報をもらったんだよ


で、

ああ、これはいいことを聞いた、
うっかり知らずに入ってしまったら
もうおしまいになるところだったよ



とおもって、その場所をよ~~く聞いてみたら、


そこは。。。。。。。


おいらがすでに何日も泊まっていた場所だった!

っていうお笑いさ





いやあ、ぜんぜん危険なんかかんじてなかったよ

人は親切で

お茶飲ませてくれたり、
くだものもらったり。。


貧乏ビータつづけてると、

知らない街でも安宿、安メシ屋をさがしあてる
嗅覚が発達してくるんだよね



どこにいても、ああ、こっちにいけば
安宿街があるはずだ、みたいなことが

なんとなくわかるようになるんだよね


でも、それはおいらみたいな貧乏タビニンだからなんで、


仕事で来ているような人々には
とても入り込めないような危険地域に思われるんだろうね




おどろくかもしれないけど、
これはなにも、仕事で来ている外国人だけの話じゃなくて


じっさいその街に住む現地のひとからも
同じようなこと言われたことがあるよ



あんなあぶないところに行ったらおしまいだぞ!とか、
あそこだけは行くなよ
あぶなくてわれわれ現地のものも行かないんだから!とかね



でもおいらは知らずに平気で歩きまわってた、
なんてことが何度もあったよ





まあ、もちろんおいらが単にラッキーだっただけかも
しれないけどね





でも、ここで出会った電話工事のひとたちには
本当にお世話になったよ

やさしい人たちだったなあ。。


おまけに、ずっとあとで行くことになるナイジェリアにいる
かれらの同僚にまで紹介状を書いてくださって、



じっさい、それらのナイジェリアの方々にも会えて、
言い尽くせないくらい
おせわになっちゃったんだ

そのことはまたいずれ書くことがあるとおもうけど。。

だから
コンスタンチンを出ていくときは
マジでわかれがつらかったくらい、
いい人たちだった




う~~~む、
日本人もすてたもんじゃねえな、

などと生意気なコメントをのこしつつ

コンスタンチンをあとにしたロクデナシ君でしたとさ


このあと、ひじょうに容易なヒッチをくりかえしつつ、

首都アルジェにむかったのさ


そのはなしは次回ね

まっててね
うわきしちゃだめよ!







拍手[4回]




さて、アルジェリアはサハラ砂漠のはしっこの
砂丘の街、エル・ウッドで、
安宿探しに疲れ果てたロクデナシ君が、

ついに見つけた今宵のドーヤ(やどのこと)はあああっ!




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第二十九話 : 砂丘で野宿、ロクデナシ君、の巻

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なんで!なんで!

なんでこの街には
安宿がねえんだよおおおおっ!

なんて思いながら歩き回っていると
いい加減疲れはてたころ、、、


町外れの砂丘のはずれの、

そうだな、道から砂丘一つ越えたあたりに
小屋が見えたんだよ



で、行ってみると

もうすっかり荒れ果てた無人小屋




誰も住んでいないのはあきらかだし、

もう捨てられてかなりたっていてボロボロだけど
いちおう屋根らしいものはあるし、

野宿には最適っていうかんじだったんだよ!これがあ!



おまけに、おもてには
「貧乏ビータ(たびのこと)の衆、御用達」
っていう看板がかかってるし(うそ)



早速そこを今夜のネグラと決めて、
町でメシを食ってから帰ってきたんだけど、、

他にすることもないからず~~~っと砂丘を見ていたわけ



まあ、それでね、

砂丘の一日の変化に
やけに詳しくなったわけさ


でも実際には
その砂丘の色合いの変化の!

あまりといえばあまりの凄さに

ボーゼンとなって見とれていて、


気がついたらあたりはもう真っくらくらのくら!
夜はこうこうと更けまする(中原中也ふう)



小さな町だからろくに明かりもないし、

砂丘ひとつ隔てているから明かりもとどかないし、


もうね、まっ暗闇の中ですることもないから
しょうがねえから寝ちゃったよ



そうしたらその夜砂嵐がきやがってよお
すげえんだ、砂漠の砂嵐ってのは

寝袋のなかに頭までスッポリ入って

頭の上から毛布を巻いて寝るんだけど
目が覚めたら全身砂に埋もれていた、
外へ出るのに砂をかきわけかきわけ


30分くらいかかってようやくお天道様がおがめる!
ってえのが
サハラの砂嵐ってもんよ


でもこの晩は
ありがてえことに

ボロだけど小屋があるし
あまり気にしねえでよく眠れたよ



でもさあ、
早く寝たから早く起きちゃってさあ、

目が覚めたときはまだ真っ暗だったよ



電気なんかあるわけねえし、

懐中電灯なんかもちろん持ってねえし、


時計も見えねえから時間さえわかんないけど、


夜明けまでには
まだまだかなりた~~~っぷり時間がありそうな感じだったよ



とにかく!
あんなに暗い夜は生まれて初めてだったね



月のヤローも出てやがらねえし、


たぶん砂嵐のせいで
星も見えなかったと思う


とにかく真っ暗で、

真の闇というのはこういうものなのかああっ!

まるで手でさわれるほどの暗闇だったよ(出エジプト記ふう)


だってね、だってさ、

きいて、きいて!



目の前に自分の手をもってきても
どんなに目を見ひらいてもどうしても
自分の手がみえないのよっ!




ねえ、
そんなのって、あるぅ?
(あるんだよ、うるせえな、って思ったでしょ?いま)



しかたなく寝転がって
天井とおぼしきあたりをみつめているうちに

な、なんだか怖くなってきちゃってさ、


なんか、なんかさ、

見えない天井の辺りには!!



毒ヘビかサソリか!!!

そんなものでもひそんでいて

今にもおいらの顔の上に落ちてきそうな気がし始めて、


もう怖くて怖くて
いても立ってもいられないんだけど!!!


だってよお、
寝てたらカオのうえに

毒へビやサソリがおちてきてみな!!


どうするよ!?オイっ!?


って、でも、どうしようもねえじゃん?

どうしようもねえからよお、

そのまま寝転がっているしかねえじゃん?
(ハマッ子ふう)


でも、恐怖はつのるばかり


んで、

もう我慢できなくなって!!!!!



気が狂いそうになって
さけびだしそうになった
まさにそのとき!!!




うっすらと手が見えたんだ

「あれっ!?手が見える!」


で、
外を見てみると、、、



砂丘の上辺あたりが

ほんの少~~し白んできているみたいだった


おもわずおいらは一首詠んだね


"やうやう白くなりゆく砂丘ぎは
すこしあかりて
むらさきだちたる雲の
ほそくたなびきたる"


う~~~~む、ふかいっ!


などと盗作にいそしむまもなく、

あたりはどんどん明るくなっていき、、、、、、、




ついに!、ああっ!ついに!


山ぎはに、じゃなくて砂丘ぎはに、


太陽がその端っこをチョビッとだけ見せたその瞬間!、


真っ暗闇に

一条の鋭い光が闇をつんざいて閃きわたったのですぅっ!




その瞬間、

闇も恐怖もすべて一瞬のうちに消え去ったよ!!!



ああ、日の光よ!
空よ!
砂よ!

きみたちはみんなぼくの友達だ!

生きてるってすばらしいっ!


ああ、生きとし生けるものよ!
(うるせえ!
死んじゃえ!バカヤロー!っていま思ったでしょう?)



でもほんとに日の光っていうのはすごいんだね、

あれほどの闇も恐怖も
一瞬にして消し去っちゃうんだから


それに砂漠ってね、

夜はかなり冷えこんで寒いんだけど、

日がさした瞬間にさあっと熱が伝わってきたんだよ


空気までが変わっちゃったような気がして、

それまで寒さと怖さで
ガタガタふるえてたんだけど、


もうね、
一瞬でからだじゅうが温まったよ


あれは忘れられないなあ



じゃあね(バグミーヌふう)








拍手[11回]




いやいやいや、

またもや発行遅れてすんまへん


なんか、おいら、このごろ、ダメダメだね

でも、これからは
なるべくひんぱんに更新しますから
ゆるしてね

しかも前回、下ネタでごめんよ

でも、すげえ反響あったね
みんな下品な話が好きなんだなあ、

って再認識しましたとさ






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第二十八話 : 初めての地平線に大興奮!、の巻

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というわけで
悶絶!下痢攻撃の苦しみを経て、

チュニジアを出て
次は西隣のアルジェリアに行ったのさ



数日前に日本からの駐在の方々も貴重ないのちを失われた
あのアルジェリアです
本当にお気の毒でことばもありません



おいらが行ったころはとっても平和で
あんなことが起きるなんてとても考えられなかったんだ。。。


さて、

話を続けますが、、、



このあたりではヒッチハイクが
人々の日常生活に組み込まれていて、
子供たちの通学にさえヒッチが利用されてるくらいよ



だからとにかくヒッチはメチャメチャ簡単!


町はずれに立ってると
黙っててもすぐ車が止まって乗せてくれるんだぜ



あのあたりは世界中で一番
ヒッチの簡単なところなんじゃないかな



パッチョロあたりで
ヒッチで苦労した人は北アフリカへ
行ってみな


で、南チュニジアから西へ進んで、

名前忘れちゃったけど
チュニジア最後の街を出て


国境を歩いて越えてアルジェリアに入ったんだ


なんにもないところを、
2時間くらいは歩いたかなあ。。



あのとき生まれて初めて
地平線ってものを見たよ




水平線とはまったくちがう、
なんともいえないふしぎな光景だったなあ。。。



そこらへんに野良らくだがいっぱいいてね

いや、ホントは飼い主がいるのかもしれないけどね


でも、これもいままでのアジアでは見たこともない
不思議な光景だったから


もう、うれしくて、うれしくて、

興奮しながら歩き続けたよ。

かわいいところあるでしょ?ぼくちゃん





でも、歩いてるうちに暗くなってきて、、、

けっこう心細くなってきたね




だって、行けども行けども地平線しか見えないんだから。。


で、

もう真っ暗になっちゃった頃、

ようやくはるかむこうに小さな灯りが見えた!!




「あ、あれがアルジェリア側の国境だな」

っておもわず走りそうになったくらい





でも、そこからでさえ、
真っ暗な中を
たっぷり30分はあるいたかな



で、国境まで行ってみたら
人がいっぱいいて、
もちろんみんな現地の人で、
そこで夜を明かしているみたいだったね 





さて、アルジェリアではじめに印象に残ったのは

その国境からしばらく行ったところにある
エル・ウッドっていう町だったなあ。。。




この町はサハラ砂漠のはしっこの
巨大な砂丘のど真ん中にあってね、




大抵の人は砂漠っていうと
すぐ砂丘を思い浮かべるみたいだけど

実は砂漠の圧倒的な部分は



ホントにな~~~んにもない
まっ平らな土の大平面で、


おどろくかもしれないけど、
砂さえもないんだよ




砂丘っていうのは
砂漠に吹き荒れる強い風が砂を吹きさらっていって、



その吹き溜まりになった
ホンの一部分のめずらしい所が砂丘なんだよ



まあ、
とにかく、そのエル・ウッドだけど
砂丘は息を呑むほど美しかったよ




砂丘ってさあ、



昼間は白に近い金色に輝いていて、




午後陽が傾いてくるとだんだん
黄色からオレンジ色にかわってきて、




そのうちついに!

真っ赤に燃え上がる一瞬があるんだぜ



ほんの一瞬なんだけどさ。

そりゃあ、げーすー(標準語訳:すごい)だよ




そんなときはね、



地元の砂漠の民といえども感動するんだろうね


みんないっせいに立ちあがって
大きな声でうたうんだよ


「まっかにもえる!  王~者のしるし!

巨人のほ~~しを  つかあむうまでえ!」

ってね。(うそ)




で、その一瞬をすぎると
砂漠は
なんか紫色っぽくなっていって



さらに次第に色を失って
灰色になり



やがて闇の中に沈んでしまう





真っ昼間の白金色も、
まっ赤に燃え上がる瞬間も、
紫色の砂丘もそれぞれ美しかったけど


おいらはこの色を失って闇にしずんでいく瞬間が
いちばんすきだったな

っていうまるで一幕のドラマみたいだよ
(表現がチンポ、じゃなかった、陳腐でゴメンよ)





なんでこんなに砂丘の色の変化にくわしいかっていうと、
この町では安宿が見つけられなくってさあ。。




いや、もちろん何時間も歩き回って必死でさがしたよ、



だけどなんか知らねえけんども


たけえんだよ、ドーヤー(現代語訳:宿)が


とてもじゃねえけど、
一晩の宿賃としてだせるレベルじゃないんだよね




じつはこのあと、西アフリカでは
安宿が見つからないという問題に
常にひじょうにくるしめられたよ




たぶん、旅をする、っていう概念が
あそこではまだ発達してないンだと思う




いや、カネモチが泊まる高級ホテルはあるんだよ


でも、安宿というものがねえんだよ




庶民はビータ(和訳:旅)なんかしねえんだろうし、


したとしても親戚を訪ねていく、
みてえなことだろうから、



カネモチでないふつうの人が
宿に泊まるっていうこと自体が
あんまりないんだろうなあ。。。




おいらみたいな貧乏旅人(タビニン、ってよむんだよ)
にとって、安宿がみつからないほど
くるしいことはねえからね




そこへいくと、アジアはどこへ行っても
安宿があるからホントにラクだったね




そういう意味で西アフリカは、

世界中でもっとも貧乏ビータが
むずかしいところのひとつだろうね


で、

一応の目安として、おいらは
安宿代は最高一晩2ドルまではだしてもよし!
(じっさいには、ほとんど1ドル以下だったけどね)

みたいな自己規定に従って
旅をしてきたんだけどさあ、

ここ、エルウッドではそんなの見つからなくてね




しかたねえなあ。。。
今夜は野宿しかないかなあ、、、、、

なんて思いながら歩き回っていると!!!!!


まったく思いがけず

今夜の宿泊場所が!



でも長くなるから今日はここまでね



いつも読んでくれてホントにありがと!






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