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すばらしいアフガンの夜だったなあ。。。

あのチャイハナも、マスターの接客も、山男風ミュージシャンも。。。

なにもかもが、百点満点ハナ丸つき、ってかんじだったよ。


もう、大満足!


で、音楽(と、ほかのもの)に酔いしれて、
凍った道に何度も足を滑らせながらようやく安宿に帰り着いたよ

もうね、寒くて寒くて凍りそうだった

そこは例によってひどい安宿だったけど
かろうじて薄いマットレスと毛布があるだけありがたかったね


それでね、

いつもなら、
寒いから毛布の下にそのままスルッと入って寝ちゃうんだけど、、、


なんだろうねえ、
そのときに限っていちど毛布をはいでから
寝ようとしたんだよ
理由なんかないよ なぜだかわかんない。


きっとこういうのを、
「ムシが知らせた」っていうんだろうと思うんだ


で、毛布をはいだときなにかね、

黒っぽいものが目に入ったんだよ。



あれっ、、、

と思ってよく見てみると



きゃあぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~っっっ!!!



なんとそれはサソリだったのよぉぉっ!!!




あとで聞いたんだけど、
この辺のサソリはそれほど毒が強くないっていうか、


子供のように体が小さくない限り
刺されても死ぬことはないけど

刺されると、1週間くらいは死ぬほど苦しみつづける、

んだってよ。


そりゃあ死ぬのもやだけどよお、

1週間のたうちまわるのだってジョーダンじゃねえぜ!



でね、
あとで考えたよ

もしね、もし、

あのとき、なんか胸騒ぎ、

っていうか、

ムシの知らせっていうか(シャレだね、いや、ねらってないよ)

そんなのがなくて、

いつものように

毛布をはがないで
そのままベッドに滑り込んで寝ていたら!!!



と思うとつくづくヤバかったなあと思うね。

知らせてくれたムシに感謝だね。
(サソリもムシだけどよ)



でね、あわててそいつを叩きつぶしてから、

(虫よ、ごめん、感謝はしてるんだけどね)



文句を言おうと思って宿の男のところに持っていったんだよ、
もうプリプリ怒ってさ


アフガン人ってけっこう寡黙で、
なんとなく不思議な雰囲気のある人たちなんだけど、


この男も、

黙ったまま、しばらくサソリを見つめてた



だいぶたってから、奴が変な顔をしてポツリとこう言ったよ。


「お前、誰かに恨まれてないか?」



・・・・・!


意表をつかれた、っていうか!

まったく意外な質問だったからさあ、



しばらく呆気にとられて黙ってたよ

っていうか、

言葉もありません!!!
ってかんじだね


その男が言うのには、

サソリというものは地べたにいるのであって
高いところには自分からは上がってこないよ、


誰かがお前のベッドに入れた
としか考えられねえな、というわけだ。




そんな、おいらみたいなやさしいだけの、
取り柄といえば、かわいいだけの好青年が

恨みなんかかうわけないでしょっ!
ふんっ、だ。



だけど知らないうちに恨まれてるなんてことも
もしかしたらあるのかもしれないし、


でも、いっくら考えてもわからないから、

気味悪かったけど寝ちゃったよ。

あれもヤバかったね。

あ〜〜〜〜あ、

あぶねえところだった!(安堵のためいき)




いや、


待てよ、

いまはじめて考えついたけど、


あの、宿のヤローが入れたんやないやろか!?




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前回もそうだったけど、
考えてみると、おいら、ずいぶんいろいろな時に
窮地に追い詰められていたんだね。


ああ、そういえば、窮地に追い詰められた、
っていうのとはちょっと違うけど、
相当ヤバかったことがアフガニスタンであったなあ。

でもね、そのヤバかったことが起こる前に、
すっごいすてきなアフガニスタンの夜を
経験したんだよね。

これはもちろんヤバい話ではないので
お子様にもきっと安心してお楽しみいただけると思います。
(いや、むりか)
あこさん、かわいいこどもさんたちに
ベッドタイムストーリーとして
やさしく聞かせてあげてください
夜中にうなされて泣きだすこと、うけあい!



あれはヘラートっていうアフガニスタン第2の都会(第3だったかな)、

っていう事になっているけど
実はただの田舎町にすぎない小さな町でのことでした。


冬でもうめちゃめちゃ寒くて

道は雪や氷でカッチカチに凍ってたんだよね。


でもおいらは寒いのがきらいじゃない、

っていうか、
暑いより寒い方が絶対好きなので、
そういう身の引き締まるような、

引き締まっているうちに下手すりゃ死んじまうようなのが
そんなにいやじゃないんだよね。

だったら、なんで南カリフォルニアなんかに
住んでんだよ!ってかんじだよね

この、だらだら1年中しまらないダラケきった気候!

今日なんか、(3月5日ですよ)

最高気温セッシ31°だぜ!

3月初めだよ!?



まあ、それはともかく、

そのさむい、さむ〜〜〜〜いヘラートの街に、
どうしてこんな所にこんなかっこいい、喫茶店、
ていうか、茶飲みどころ
(あっちではチャイハナっていうんだけどね)があるの?


ってぶっとぶくらい、いい店があって
夜中にそこに行ってたんだ。


あなたなんか絶対気に入る店だよ。
(なんて、あなたのことしらねえけどよ)

べつに知りたくもねえし(←うそ)



実際あのとき思ったんだ、
あなたがいたらよろこぶだろうな、って。(←うそ)




そこは、なんでもないただの民家にしか見えない建物の

狭い階段を上った2階にあって、

中はかなり広い部屋だった。(←うそ、じゃなかったホント)


へや中にじゅうたんが敷き詰められていて

その真中にはでっかいダルマストーブが
ガンガン焚かれていてあったけえのよ


そこに何十人ものおいらみたいな、すてきな、じゃなかった、
汚い旅行者が
壁によっかかって大きな輪になって座ってるわけ



ときどきなんか煙のでるものが廻されてきて、
(お子様むきじゃねえな、やっぱり)



みんなちいさな急須に入ったお茶を飲みながら
お話しなんかしてるんだけどね、



で、
そこの主人がさあ、
ただもんじゃないんだね




もうさあ、
アフガン人とは思えないほど
あか抜けて接客のうまい男で、
(アフガン人ってホントはやさしいんだけど、
無骨というか、ぶっきらぼう)

主人はすごくおれたちを楽しくさせてくれるし
ちっともイヤミじゃないし、
すごくいい感じだった



もう、おいら、

すっかりそこのなんともいえない
ゆったりした雰囲気と
ゆったりしたけむりに

とろけそうな気分になってたんだよ


そしたら!



やがて、

いま山から下りてきましたっていう感じの
ブランドもので身を固めた(←うそ)



なんか自分でけだもの撃ち殺して
皮はぎ取って
上着にしました、みたいな

二人のアフガン人が入ってきて、


おもむろに、ズタ袋から
印度のシタールみたいな弦楽器と、
タブラみたいなタイコを出した!と思いねえっ!(江戸っ子ふう)



え?なんだ、なんだ、なにがはじまるんだ!?


すると、かれらはまさに、いきなり!!

なんの合図もなしに!!


まさにいきなり演奏をはじめたんだけどさあ、、、



その瞬間に全員がぶっとんだ!!!


その演奏のものすごいうまさ、

音色のすばらしさに圧倒されちゃって

ものも言えずにみんな凍結状態になっちまった


だってさあ、譜面もねえし、

曲が始まるときも終わるときも
あいつら、掛け声もかけなきゃ、
目でちょっと合図することもしやがらねえのに、

もう二人の呼吸がピッタシで絶妙だったんですのよ!おくさま!




おいらだって、ミュージシャンのはしくれよお!
(↑誇張あり)

そんじょそこらのケチな演奏じゃあ、
びくともしねえよ

ええれ、えれっけれえ!!(巻き舌で、ね)
(山下洋輔ふう)
(江戸弁訳:おいら、江戸っ子でえっ!)
(標準語訳:わたくしは江戸の生まれでございます)



そのおいらが、一瞬にしてぶっとんだのみならず、


そのまま、
壁を突き抜け、

気がついたときにゃあ、

となりの売春宿の便器の中にあたま突っ込んでた!

ってんだから、すげえもんよ
(じゃっかん、誇張あり)



で、そいつらよお、

アフガンの山ぐらしまるだしのくせによお、


そのまま、1時間あまりも見事な演奏をたっぷり
聴かせてくれてさあ、、、



もう、楽譜だの、シンコペーションだの、
ハチのあたまだの、手水鉢だの、


ああ、おいらの!
東京芸大で名誉博士号まで取得した、

あの、音楽一筋の、
道音響もはだしでにげだす、おれの音楽キャリアは
一体なんだったんだあぁぁぁ~~~~~~~っ!
(ぜんぶ、うそ)





で、あいつら、カネもとらなきゃ、
チップも要求しねえんだよ

さっさとけえっちまうんだから!


もうね、

きたときも突然現れたけど、



帰る時もあっという間に荷物をまとめて
気がついたら、もういねえんだよ。


風のように去っていったね



粋だねえ!


江戸っ子だねえ!(いや、ちがうって)




てことはさあ、

きっと店がサービスで聴かせてくれる、

なんていうか、

いわゆるひとつのライブショー(長嶋茂雄ふう)
だったんだろうけど、

それにしちゃあ、

あまりにもすごい音楽だし。。。


ニーゼとらねえし


で、その店のお茶も

よそのきたねえチャイハナで飲むのとかわらない

1杯30円くらいの極安だし、



う~~む、、、、、



唸るしかないアフガンの夜だった




おいらにとって、
いままでおとずれたすべての国の中で

アフガンがもっともこころうばわれた国の一つに
なったのもわかってくれるでしょう?


なにィっ!!!???

わからねえだとおっ!?



そんなやつは、

そんなやつは、


そ、そんなやつはなああああああっ、



 

トーフの角に!

しょうゆかけてなああっ、


冷ややっこで食っちまえ!
(なにいってんだ、おれ)









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ごめんね、

今回はめちゃくちゃ長くなっちゃった。

でも、一つのエピソードを一回にまとめましたから。



めんどくさい人は、題だけ読んで

勝手に想像してください。


では。




うますぎるタイミングのよさで救いがあらわれたことが何回かあったって、
前回書いたけど、

インドの隣の国パキスタンでもそういうことがあったんだ。



この時は命の危険に晒されたっていうわけじゃないけど、

(そりゃあ、そうそういつも命の危険に晒されてばかりじゃないないっすよ、
あっしもね)

でもね、ホントにもうダメっていう時のことだったから、
今でもハッキリおぼえてるよ。


印度はボンベイっていう町(いまはムンバイっていうらしいけど)
から船に乗って
となりのパキスタンのカラチっていう港に着いた



この船がまたそうとうヒデー船でね、
もう「逝ってよし」級のヒドさだったけど(古ッ!)
まあそれは関係ないからいいや。


カラチって町もひどかったね。

前にも書いたけど
こういうことはまったくぼくだけの極私的経験なんだから、



他の誰かが、「カラチはと~~~ってもいいところ」
って言っても
驚かないでその人の言うことを信じなさいよ。
きっとうそだから。(うそ)


でね、なにがひでーって、
カラチではだれも道を教えてくれないんだよ。

誤解がないように言っとくけど、
パキスタン人は一般的に言ってすごく親切な人たちなんだよ。

けどカラチではひどい目にあったなあ




死ぬほど暑くてね。。。



ヒッチハイクする元気もなくて
汽車に乗ろうと思って駅に行きたかったんだけど、

まずツーリストインフォメーションに行ったんだ。


そしたら窓口にいたのが意地悪な女で
「タクシーに乗れ」しか言わないんだよ。

そんな金はないからって言おうとすると、



「金がないならわが国は旅行できない」なんて冷たく言い放ちやがって
あとは何を言っても口もきかない。



なんであんなやつを旅行者が訪れる場所に置いとくんだ、
おれがパキスタンの旅行大臣なら(そんなのあるのか)



あんな女はすぐに百叩きの上獄門申し付けちゃうぞ!って
小さな声で言いつつすぐに退散。
(大きな声で言ったってどうせ意味わかんないけどね、

そこは、ほら、おいら
自慢じゃないけど小心者だからさ)




で、その後誰に聞いても駅に行く道がわからない。

英語はかなり通じる国なんだけど全然ダメだった。

この時点でそうとうメゲてしまったね。


でもとにかくやっとの思いで駅に着くと窓口は長蛇の列。




こんなことはもう印度ですっかり馴れっこだったから驚かなかったよ

窓口はほかにも4つくらいあって中には駅員の姿も見えるんだけど、

おしゃべりばっかりしていて一向に窓口を開けようともしない



でもね、こんなこともアジアではあたりまえだからさ、
もう馴れちゃってたんだ。



だから黙って列に並び始めたんだけど
これがちっとも進まねえんだよ。


3時間くらいたっても2メートルも進んでない。

デンデンムシじゃねえんだからよお!

もっと早く進めねえのかよお!!!




もうさあ、暑くて死にそうだし、

はたしておれは本当にいつか
生きている間に
切符を買うことができるんだろうか、



このままでは窓口にたどり着く前に熱死してしまうんじゃないか!
(そんなのあるのか!?)




いや 第一考えずに並んじゃったけどこの列でいいんだろうか、

などと はてしなく疑問は湧き上がり

きもちはドンドンおちこんでいく。


いや、これだけなら、まだ我慢できないこともない、かもしれない。




なにより辛いというか、理解できないのは!!


人がどんどん横入りして割り込んでくることなんだよ。


せっかくおとなしく長いこと並んで待ってるのにさあ、
平気で割り込んでくるんだぜ。

でもここのシステムがわからないから、もしかしたら彼らはなにか理由があって

正当な権利のもとで割り込んでくるのかもしれないし、


そういえば他のパキスタン人たちもあまり激しく抗議しないみたいだし。。。。。




うう~~~ん、わからねえ。

どぎゃんかせんといかん!

でもどぎゃんすればよかとか!?


一方、行列もちっとも進まねえしよお、

ようやく勝ち得た貴重な30センチほどの前進も
割り込みであっというまに元に戻されちゃうし、、、




もういやっ!!!
もうすべてがいやっ!


もう、あなたのしゃべりかたもいやなのっ!


あなたと同じ空気すってることがいやなのっ!
(言われたことない?)



とにかく絶望的な気分になってきた。

あのとき爆弾を持っていたらおいら絶対確実に

自爆テロでその辺の奴ら道連れにしてやったとおもうよ。


。。。ってぐらいのきぶん。。。



でも、爆弾ねえし

もうどうしていいかわからねえし


泣きたくなってきて

その場にしゃがみこんじゃった。情けないけどね。




でもさあ、ホントにもうダメだって思ったんだよ。

ちょっとだけ、ほんとにちょっとだけ甘えさせて!





そのとき!!!(またこのパターンかよ!)

誰かが「どうしたんですか?」ってきれいな英語で話しかけてきたの。



みるとひとりのやさしそうな青年で、
かつ頼もしいという感じの人が立っていたんだよ。



いや実はこういうわけで切符を買いたいんです、
ってあたりまえのことを言うと、



少し考えてから「じゃあちょっとついて来てください」

と言って

駅の中の事務所に
ぐいぐい入って行っちゃうんだよ。



え!?いいのか?いいのか?


でもかれはそんなことおかまいなし。


ずいずい入っていって


で、彼がわけを話すと駅員がすぐに切符を出してくれてそれでおしまい。





いや、うれしいっすよ。
なんの文句もありませんよ、もちろん。





でもさあ、、、


じゃあ、何時間ものあの苦労は一体なんだったんだよ!




というかんじだけど
とにかく念願の切符は手に入ったのだからいいよね。



でもね、この人はいったい誰なんだろう、って思ったよ。

思うでしょう?あなたも。




彼の正体はともかく、(いや、たぶんただのパキスタン青年なんだとおもうけど)

彼はなんとその切符代を払ってくれたし、


そればかりではありません!!!!!




出発までぼくと一緒にいてくれていろいろ世話をしてくれただけでなく、


車掌に食事の手配をしてくれて

(インドやパキスタンでは汽車でメシが出るんだよ
いや、もちろん、別料金だけど。。。)


その代金までおいらには払わせようとしなかったんだよ!


誰なんだろうね、あの人は。



地獄で仏、っていうかさあ、、、

(クリスチャンがそんなこと言うんじゃねえ!って?)



それまでの状態がひときわひどかったから

かれのやさしさがとくに心にしみたよ。



あんなことってあるんだなあ。あるんですねえ。




と、いうようなわけで、

このときも「もうダメだああ!」

っていう瀬戸際まで追い詰められたときに

驚くようなタイミングで助けられたわけだよね。




こういうことが実にたくさん、なんどもあったんだよ。




ふしぎね、人生って。

ふふっ。




長くてごめんなさい。
でも、読んでくれてホントに
ありがとう。










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みなさん、こにゃにゃちは。

おげんきですか?


悪質なカゼがはやってるようですので、
気をつけましょうね。


さて、前回はあやういところで生き延びたロクデナシ君でしたが、、、






ついでに暴露しちゃうけど
じつはインドではもう一度実にヤバイことがあったんだよ。





これはもう名前も忘れちゃったけど、
たまたま通りかかった小さな村でのことで

そこでは祭りの真っ盛りだったんだよね。
どうしてそんな小さな村に行ったのかなあ。。。


祭りを見たくてその村に行ったのかなあ。。。


もう、おぼえちゃいないんだけどね。。。





まあ、とにかく、
なんの祭りだったかも忘れてしまったけど
(なにしろインドでは祭りがしょっちゅうあるからね)、

見物してるうちに夜になって
祭りはますます盛り上がってきたのです。





で、すんごい人混みだから
よく見えるように高いところに登って見てたんですよ。




そしたら、下から見上げた男となにげに目があった。



そしたら!!!



そいつの表情が突然険しくなってさあ。



「てめえ、なにガン飛ばしてやがるんだ!!!コラっ!!!
てめえどこの高校だ、このやろー!!!
おれは学習院高校だぞ。
宮様とご学友なんだぞ!!!」
なんて言うわけ。(うそ)




でも、ほんとおっかない顔で
(だいたいインド人の顔っておっかねえんだけどね)





おいらの顔を見ながらこっちの方を指差して


なにやら叫び始めたわけなんだよ。





そしたら、群衆の視線がいっせいにおいらに集中!!


ああ、またなにやらヤバい予感が。。。








今回も彼の言ってることなんかもちろん全然わかりっこないんだけど、



ただ一言だけわかったんだよ。

みんな知ってることばだったからね。






それはさあ、
当時のおいらには全然なじみのないことばだったんだけど、


そいつは、「クリスチャンだああああっ!」ってしきりに叫んでるわけ。




そんときの祭りはいうまでもなく
ヒンズー教の神を祭るものだから、

そこに紛れ込んでいる
明らかにインド人でない異教徒の男(おいらだけど)をみて、

クリスチャンだと思ったんだろうね。





つまり彼はこう言ったのだ。(全部想像)



「みんな見ろ!

あそこにクリスチャンがまぎれこんでいやがるぞ!

われらの神聖なる祭りを汚す奴だぞ!」






またもや、一瞬にして群衆は怒り狂い、

神聖な祭りを冒涜し汚す不届きなやから(おいらのこと)を

激しく糾弾し始めたのだった。





だけどさあ、


糾弾するのは勝手だけどよお、、、、



当時おいらはクリスチャンでもなんでもない


コチコチの無神論者だったんだぜ。




そんなのにクリスチャンなんかと間違われて殺されたんじゃあよお、




たまったもんじゃあねえよ。そうでしょう?

(じつはあとでクリスチャンになったんだけどね)





そのとき!

ああ、そのとき!

おれさまの脳裏に突然すばらしい解決策がひらめいたのである。






おいらは昔から保身の天才と呼ばれた男である。

なめてもらっちゃあ困る。



ザ・キング・オブ・保身(おいらのことだけどよ)は
その時も見事な保身術で危機を免れたのだ。




さあ、

どうしたと思います?





おいらはとっさに




「ノー、ノー!!!ノー・クリスチャン!
アイム・ブディストォォぉっ!!!」

(和訳:ばかやろー!
おれはクリスチャンなんかじゃねえ!!!
おれさまは仏教徒だ!
そんなこともわからねえのか、
このインド人のスットコドッコイめが!)



って

叫んだんだよ。







もちろんおいらは仏教徒なんかじゃねえよ

なにしろ無神論者だったんだからね






だけどさあ、

なんたって、命がかかってんだからさあ、

保身のためならそんなことはどうでもいいではないか。





節操がないと責めるなら責めよ、
裁きたくば裁け!


私は生きたかったのだ、

生きて命の尊さを満喫したかったのだ、

一匹の蟻に健気な命を見たかったのだ、


ああ、生きとし生けるものよ!








ってなわけで、



保身の天才はその名も知らぬ小さな村を無事に後にしたのだった。



あ~~~~あ、あぶねえ、あぶねえ。





冗談じゃあねえよ、バカヤロー!


クリスチャンなんかとまちがえられて


殺されてたまっかよ!




なんて、ずっとあとでホントにクリスチャンになるとは


お釈迦様でもわかるめえ!  




ってクリスチャンなんだけどよ




ごめんね、お釈迦様











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すんまへん、

またカゼひいてしまいましてんや。
昔から、病弱でっさかいな。

早く更新しなくっちゃ、ってずっと思ってたんすけど。


なんども言いますけどな、
このブログは、もともとメルマガでやっていたものが
うまく配信されていないことがわかって、

それで大あわてでブログにしてますんや。

せやさかい、メルマガ購読してはるお人は、
「こんなもん、もう読んだやないか!」
なんて怒りないな〜。

わては浪花のあきんどでっせ〜〜(だれが!)

ほんとは江戸っ子でえっ!ってやんでえっっ!



さて、盗っ人インドやろーをフクロだたきにして、大満足!
ところが、ふと気がつくと。。。

まわりを数百人の怒り狂ったインド人民大衆に取り囲まれ、

ああっ、もうダメか、と思われたそのとき!

まででしたよね。



ーーー$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$ーーー

第十三話 : ヤバいぞ!ロクデナシ君(その3)、の巻

ーーー$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$ーーー



いま考えてもタイミングがよすぎる。

あれはひょっとしたら月光仮面か、
それとも天使か、っていうくらい。


でも旅行中じつは何度もそういうタイミングで助けられてるんだよね。

それはまた別のところで書こうと思うけど、

いまはとにかくその絶体絶命のときのこと。



おいらたちを取り囲む群衆の雰囲気が
もう見る間にどんどん悪くなっていって

もう今にも爆発しそうで、
爆発したらぼくたちは八つ裂き!

八つ裂きはイヤッ!
八つ裂きだけはイヤッ!

そんなことされたら、もう歩けなくなっちゃうっ!



っていう感じになったときに!!!


群衆の中から、、、
一人の人が進み出てきたのです。

その人もたぶんインド人だと思うけど
比較的身なりのきちっとしたビジネスマン風の人で、


彼が群集に向かってなにやら大声で演説をはじめたんだよ。


「ええっ!?こんなところで演説ぅっ!??」
なんて思っちゃあいけねえよ


インド人ってえのは、とにかく演説が大好きなんだよ


ちょっと気をゆるすとすぐ演説はじめるんだからよお



まあ、それはともかく

このおっさんの演説

もちろん現地の言葉なのでぼくらには何のことやらさっぱり。

のはずなんだけどよお、

じつは彼の言ってることが全部わかったのです。

そういうことってあるんですね。      


彼は群集に向かってこう言ったのです(と思うんだけどね)。


「賢明なるインド人同胞諸君!

この事態をよく考えてみたまえ!!!

悪いのは一体誰か。


このお二人は外国から来られたいわば客人ではないか、
その大切な客人の持ち物をこの男は盗もうとしたばかりでなく、

あまつさえお二人に刃物を持って
危害を加えようとさえしたのである。

お二人はご自分の身を守るために当然のことをしたに過ぎないのだ。

とくに、この背の高い知的でハンサムなほうのお客人は(ぼくのこと、若干脚色)
当然の自己防衛をなさったにすぎない!

とすれば!

この事態の責任が誰にあるのか
誰が見てもわかるほど明らかではないかあああっっっ!!!」




ああ、なんと実に説得力のある流暢な演説であったことよ。

おいらも事態を忘れて思わず聞き惚れちゃったよ。


驚くべきことには
これですべてがひっくり返っちゃったんですう。

さっきまで、こいつら日本人ぶっ殺してしまえ!

という喜ばしくない一点で一致団結していたはずのインド労働者階級群衆諸君が、
(かどうか知らねえけどよ)

この人の演説で一瞬にして怒りの矛先を180°変えて
先ほどのインド人に向けちゃったんだから笑っちゃうよね。



あれよあれよという間に

インド労働者階級群衆諸君は
この盗人くんをみんなでなかよく蹴りはじめたのだった!



考えてみれば かわいそうな男だよ、こいつも。

おれ様のメガトンパンチ(ヘニョへニョパンチではなかったのか!)

をくらって鼻血をだしてひっくり返り、

ナイフで反撃を試みたものの返り討ちにあってコテンパンにやられ、


今度は挙句の果てにインド人同胞諸君の怒りを買って
ぼこぼこにされている。

これもひとえに彼がわれら極貧日本人の持ち物に手をつけ、

あまつさえ刃物を持って大和魂に刃向かったことにすべての原因がある、


これを古来、因果応報、あるいは自業自得と呼ぶのである。(ゲーテ)←うそ


ざまあみさらせ!このくそヤローめが!!!

とはいえやっぱりかわいそうな男であった。合掌。



などとばかげたことを言ってるヒマなどなく、

われらは群衆の大いなる怒りが
かのあわれな盗っ人印度人に向けられているうちに
さっさとトンズラこいたのである。


あ~あ、あぶなかった。

「結果よければすべてよし」(玄宗皇帝)←うそ


あ~あ、よかった。



(この話、完)















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